映画「1922」の感想とスティーブンキング作品の考察

ムビメシュラン評価2 
「シャイニング」もどきの映画

 スティーブン・キング原作のホラーサスペンスです。音響やカメラワークなど「シャイニング」をリスペクトしたと思われるシーンが多い作品です。ストーリーはスティーブン・キングの作品にはよくある初老の男の後悔と懺悔に満ちた回顧録です。人の不安や罪悪感が得体の知れない恐怖を煽ります。しかし、この小説に映像と音響という表現技法が加わったことでこの作品にもたらされた相乗効果はほとんどありません。ホラー好き、サスペンス好きの方にはやや物足りないでしょう。

 

「1922」の作品情報

<日本公開年月日>
本邦劇場公開なし
<スタッフ>
・監督:ザック・ヒルディック
・原作:スティーブン・キング
<出演>
トーマス・ジェーン
モリー・パーカー
ニール・マクドノー
<あらすじ>
 一人の老人がホテルの一室で自らが過去に犯した罪について書き綴るところから物語が始まります。そうしている間にも壁から、現実のものなのか呪いによるものなのか、はたまた妄想にようるものなのか、ネズミが男に忍び寄ります。はたして男の犯した罪とは一体。

 

<ネタバレを含みます>

タイトル「1922」とは

 1922年は主人公のウィルフレッドが息子と共謀して妻を殺害した年です。ウィルフレッドが回顧するスタイルで進行する物語ですが、具体的な日時を指定されたことで世界が我々の現実に忍び寄り、より恐怖を増します。

幽霊か幻覚か

 息子と共謀して妻のアルレットを殺害したウィルフレッドは腐敗の始まった妻の遺体とそれに群がるネズミを見てしまった日から、妻の亡霊とネズミに悩まされることになります。それらは罪悪感がみせる幻覚の類であるのか、はたまた実際にウィルフレッドに強い恨みを残した彼女の怨霊なのか、判断しかねるまま物語は進みます。

息子ヘンリーの悪行を語る妻の亡霊

 ガールフレンドを妊娠させてしまった息子ヘンリーは駆け落ちして、ボニー&クライドのように強盗を繰り返す生活を送ります。その様子を妻アルレットの亡霊がウィルフレッドの耳元で囁きます。自身の犯した罪が悪循環を呼び、息子の人生をも狂わせてしまったことにウィルフレッドはさらなる罪悪感に襲われます。

亡霊なのか妄想なのか

 ところでネズミがこの物語の中で重要な存在を担います。しかしウィルフレッド自身はネズミに対して直接手を下した訳ではなく、あくまで妻の遺体にネズミが群がっていた光景がトラウマになっていただけであると推察されます。すなわち、ウィルフレッドが見ていたおぞましい光景は彼の罪悪感が生み出した妄想であったのではないかと私は思います。

「シャイニング」「キャリー」「it」にも通じる「本当に怖いもの」

  スティーブン・キングの物語には超自然的な題材を含んだホラー作品が多くありますが、その根源には人の不安や罪悪感があることが多く結局一番恐ろしいのは人間であると気付かされます。本作品においても題材は同様のものでしたが、それを肉付けする表現技法としては「シャイニング」etc.に勝る点はありませんでした。

 

2020.2.2  むびめしこ

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