映画「最高に素晴らしいこと」の評価・ネタバレ・解説・感想

映画「最高に素晴らしいこと」の
評価作品情報ネタバレ解説感想ジェットコースターについて

 

「最高に素晴らしいこと」のムビメシュラン評価4

 「死」がものすごく近くにある作品でした。「死」に飲み込まれてしまう生き方と、それをはねつけて力強く生きる生き方が爽やかに描かれます。テーマは重いのですが、観終わった後は苦い悔しさと共に新しい希望も感じられる作品です。

 

「最高に素晴らしいこと」の作品情報

<日本公開年月日>
2020年2月
<スタッフ>
監督:ブレット・ヘイリー
原作・脚本:ジェニファー・ニーヴン
<出演>
エル・ファニング
デヴィッド・S・グレートハウス
<あらすじ>
 同じ高校に通う家族関係にトラウマのある青年フィンチ、目の前で姉を亡くし落ち込みから抜け出すことのできないバイオレット。2人は地理学の授業でインディアナ州の名所を巡るという課題に取り組む中でお互いの心を開いていく。

▼▼<ネタバレを含みます>▼▼

「最高に素晴らしいこと」の解説

バイオレット・マーキーについて

 バイオレットは交通事故によって目の前で姉を亡くし、「自分だけが生き残った」という罪悪感に苛まれる日々を送っていました。生き続けることを恐れ、友人と楽しい時間を共有することができません。

セオドア・フィンチについて

 作品で多くは語られませんでしたが、家庭環境に大きなトラウマを抱えた青年です。日頃はその傷を他人に悟られることなく明るく振る舞いますが、常に「死」に引き寄せられています。自分の中でコントロールが取れなくなると友人との連絡も一切断ち、自分だけの殻にこもってしまう難しい一面もあります。

フィンチがバイオレットに興味を抱いた理由

 2人が初めて出会ったのはバイオレットが橋桁の上に立ち、下を覗き込んでいた時です。バイオレットは後に「気がついたらそこにいた」と語りました。自分でも気がつかないうちに強く「死」に引き寄せられていたのです。フィンチはそんなバイオレットに強く惹かれ始めます。おそらく自分と似たものを感じたのでしょう。

自らの傷を隠し、バイオレットの心を開くフィンチ

 初めは固く心を閉ざしていたバイオレットでしたが、しつこいくらいに何度も誘ってくれるフィンチに次第に心を開きます。地理学の課題のため2人でインディアナ州の名所に出かけ、ついにずっと避けていた車にも乗ることができました。バイオレットは笑顔を取り戻し、友人との会話も楽しめるようになり、徐々に事故前の自分を取り戻しつつありました。

「死」から遠ざかるバイオレットにフィンチが抱く不安

 ところがその頃からフィンチの様子が変わります。友人同士で話していても上の空で、学校も休みがちになります。フィンチの古い友人たちは「彼には昔からそういうところがある。」と話しますがバイオレットの不安は募ります。連絡が取れない間何をしているのかとバイオレットに尋ねられ、フィンチは追い詰められたように感じます。フィンチは「死」から遠ざかり始めたバイオレットを身近に感じることができなくなっていました。さらに同級生からの「変人」という言葉が追い討ちをかけます。

フィンチを救おうとするバイオレット

 フィンチが抱えているあまりに深い傷に気がついたバイオレットは、今度は自分がフィンチを救いたいと願います。しかし時すでに遅し、フィンチは絶望の淵に飛び込んでしまったのでした。

自らの人生を歩むバイオレット

 バイオレットはフィンチと過ごした日々を思い返します。また友人のアマンダも精神的に問題を抱えていたことを知り、「生」と向き合うことを恐れていたのが自分だけではなかったと気がつきます。一方で他人の死についての責任は自分一人で背負いこむものでもないことに気がつき、自分自身の人生を歩み始めたのでした。

 

「最高に素晴らしいこと」の感想

 なんの予備知識もなく観たので、思ったよりも重い展開に驚きました。
 ところでフィンチの抱えていた精神疾患が双極性障害という記載を見かけました。確かに気分の上下は激しいのですが、どちらかというと境界性人格障害のような印象を受けました。双極性障害の躁の時の典型的な症状は散財、ギャンブル、性的奔放などやや社会的に逸脱した行為が特徴なのですがフィンチにそれらはみられませんでした。むしろ急に音信不通になったり、身体の傷は見せておいて多くを語らなかったりと、やや人を操作しようとする面が強いように感じました。
 本作品の公式サイトには主演の二人から精神疾患を抱え、死に直面している人たちへのメッセージがあります。さらにそういった方達に向け、サポート施設の案内もありますので、本作品の思いの強さが伝わります。

 

最後にジェットコースターについて

 ここまですごくシリアスに語ってきたのですが、最後にこれだけどうしても言いたくて。作品に登場する手作りのジェットコースター、以前「世界の果てまでイッテQ」で宮川大輔さんが乗っていましたね。思い出して笑ってしまいました。

2020.2.28 むびめしこ

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です