映画「イーストサイド・寿司」の評価と感想

ムビメシュラン評価4 
外から見た日本を知る作品

  爽やかなチャレンジングムービーです。メキシコ人のシングルマザーがカリフォルニアで寿司職人を目指します。日本人もメキシコ人も米国ではマイノリティです。「フラッシュダンス」に通じる本人の基礎の甘さは感じますが、それを上回る熱意とフレッシュさと誠実さが作品全体の印象を押し上げます。外国映画にありがちな誤った日本の解釈はなく、日本人である私が観ていても違和感がないほど作り手の日本文化に対する誠意を感じます。アドバンテージのない世界で挑戦する気持ちを後押ししてくれる作品です。

 

「イーストサイド・寿司」の作品情報

<日本公開年月日>
本邦劇場公開なし amazon prime videoにて
<スタッフ>
・監督:アンソニー・ルセロ
<出演>
ダイアナ・トレス
竹内豊
ロドリゴ・グラーク
<あらすじ>
 メキシコ人シングルマザーのファナは父親と娘の3人で暮らしながら家計のために職を転々とします。料理人としての経験があることを評価されて日本食レストランで働くことになります。初めて食べる本格的な寿司の味に魅了されたファナは女性であることやメキシコ人であることなどたくさんの壁が立ちはだかる中、寿司職人を目指します。

 

このシーンいただきます!〜チャレンジングな激辛SUSHI〜

 今日切り取るのは、ファナが寿司コンテスト用で作った「緑の悪魔ロール」です。ファナは女性であることが分からないようビデオでは手元のみを写し、名前もイニシャルで応募し見事一次審査を通過しました。しかし地区大会の受付で女性であることが主催者側に分かると審査員の間で女性を参加させるか否かの議論が始まってしまいました。そのような困難にもめげることなく彼女はコンテストで力を出しきりました。「緑の悪魔ロール」はサーモン、しいたけ、トビコといった日本の食材に加えて、ハラペーニョを投入したり、海苔の代わりに唐辛子をお寿司に巻いたりしたメキシカンテイストのお寿司です。とてもスパイシーで刺激的な味がしそうですが、メキシコ人女性が日本人の男性社会に飛び込むのはこのお寿司と同じくらい刺激的な出来事なのかもしれません。

 

新しいものもいつか伝統に

 カリフォルニアロールは米国で誕生した寿司です。確かに日本人が思う伝統的な寿司の姿とは大きくかけ離れていますが、米国の人々には大人気です。

伝統とは 

 そもそも江戸時代に広まった寿司は今の寿司の4倍ほどの大きさだったそうです。それが食べやすい大きさに改良されて今のスタイルになりました。ちなみに寿司が二貫ずつ出てくるのは、この大きい寿司を食べやすいように二つに切って提供していた頃の名残だとも言われています。伝統と呼ばれるものも新しい存在だった時期が必ずあります。新しいものも多くの人に愛され、それが長く続けばいつか伝統になります。変化を受け入れることは勇気のいることですが、新しい歴史を作るにはまずはファナのような勇気を持って臨む人が必要なのでしょう。

 

2020.2.3 むびめしこ

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です