映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の評価と感想と発達障害について

ムビメシュラン評価5 
生きにくさを抱えて生きること

 科学技術の世界がなぜ2位ではいけなくて、1位ではないといけないのかが非常によくわかる映画です。多くの科学者は人の幸せを追求して研究をしますが、多くの政治家は科学技術を戦争や国力の顕示に利用することを考えます。主人公のアラン・チューリングは天才的な頭脳をそんな思惑に利用され、さらに発達障害と同性愛という二つの生きにくさを抱えています。孤独を好んだ1人の数学者が仲間と協力する喜びを見出します。一方で戦争によって傷つくのが罪のない一般の人々ばかりであることを改めて痛感する映画です。そんなことをじっくり考えたいときに観るのをオススメします。

作品情報

<タイトル>
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
<日本公開年月日>
2015年3月
<スタッフ>
・監督:モルテン・ティルド
・脚本:グレアム・ムーア
・原作:アンドリュー・ホッジス
<出演>
ベネディクト・カンバーバッチ
キーラ・ナイトレイ
<あらすじ>
 1951年ある数学者の家に空き巣が入ります。その数学者アラン・チューリングは第二次世界大戦中にドイツの暗号を解読する秘密組織に属していた頃を回顧し、物語は始まります。

 

このシーンいただきます!
~やめられない色へのこだわり~

 今日切り取るのはアランが高校生の頃、給食の人参とグリーンピースを綺麗に分けていたシーンです。「こだわりが強い」というのは発達障害の典型的な症状の一つです。アランはオレンジ色の人参と緑色のグリーンピースが混ざり合うのを極端に嫌がり、それを同級生にからかわれていました。それだけではなく、アランは会話の行間を読んだり比喩を理解することができません。そのために友人や上司と関係を築くのに非常に苦労をします。しかし一方でこの特殊な脳が想像もできない偉業を成し遂げました。アランの特殊性が一目でわかるシーンでした。

 

互いの違いを受け入れること

 他人を理解することができず、また人から理解されないアランは孤独を好むようになりました。仲間と協力したり意見を出し合うことを拒んでいたのです。そんなアランを変えたのが唯一の女性メンバーであるジョーンでした。アランは女性という先入観に縛られずジョーンが頭脳明晰な女性であることを見抜きました。ジョーンもまたアランの特性を理解し、仲間とのコミュニケーションのが円滑になるよう助言をしました。周囲と異なることや自分の能力が正当に評価されないことなど共通の悩みを抱えていた二人は独特の絆で結ばれました。

 

最後の鍵は酒場で

 さてアランの頭脳はエニグマを解読するマシーン「クリストファー」を作り上げましたが、あと少しのところで答えにたどり着けません。解読の最後の鍵となるヒントを掴んだのはかつてアランが最も苦手としていた場所、酒場でした。アランが孤独を貫き通し、仲間と交流せずに作業場にこもりっきりであれば、イギリスはナチスに敗北していたかもしれません。アランに仲間の大切さを教えたジョーンの果たした役割は非常に大きいと言えるでしょう。

 

現代社会における発達障害

 我々がアランのような人を見るとき、変わった人だなと思います。一方でおそらくアランから見れば我々全てが変わった人に見えるはずです。仲間の少ない世界に生きることはどれだけ恐ろしく心細いことでしょう。ジョーンがアランを救ったように少しでもアランのような人々が社会参画する機会がふえていくといいですね。

2020.1.29 むびめしこ

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