「ニューシネマパラダイス」の評価と感想と食事シーンの考察

ムビメシュラン評価
映画のパワーを伝える映画

 映画ブログを書こうと思い立った時、最初の記事は既に決めていました。母の影響から、私は小さい頃から家でよく映画を観ていました。映画を観るということがご飯を食べることと同じように生活の中に当たり前に溶け込んだ生活を送っていたのです。そんな生活の中であったからこそ、自分が映画を好きだということに全く気が付いていなかったのです。

 作中、白いライオンの口から紡ぎ出される多くの名シーンと共に観客の笑顔や泣き顔が映し出されます。そのとき自宅のテレビ画面に反射した自分の顔が劇中の観客の表情と全く同じだったのです。これが自分が映画を愛しているのだと気がついた瞬間でした。そういうわけで、このニューシネマパラダイスは私の映画好きの原点の作品です。

作品情報

<タイトル>
ニューシネマパラダイス
<日本公開年月日>
1989年12月
<スタッフ>
・監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
・製作:フランコ・クリスタルディ
・音楽:エンニオ・モリコーネ
<出演>
フィリップ・ノワレ
ジャック・ペラン
サルヴァトーレ・カシオ
<あらすじ>
 
舞台はイタリアはシチリアの田舎町です。主人公の少年トトは映画技師のアルフレードになつき、母の止めるのも聞かずに映画館に入り浸ります。トトが大きな世界に羽ばたくことを期待したアルフレードはある日トトに町をでるように促します。

 

このシーン、いただきます!〜純愛のサボテン皿サラダ〜

 

 このブログの主旨は「食事シーンから映画を覗く」です。今回切り取るのは主人公トトが初恋の美少女エレナとサボテンサラダを食べるシーンです。
  猛アタックの末、やっと付き合うことができたエレナと二人でデートを重ねる様子が次から次へと流れる場面の一部でほんの数秒にも満たないシーンです。両掌を広げたよりもさらに大きいサボテンの葉をお皿にして二人が微笑み合いながら食事をします。サボテンのお皿は大きくて安定感があるようにも思えますが棘があり、切り口からは得体の知れない汁もたれてきそうです。その上に盛られたサラダは濃い緑の葉物野菜に切っただけの真っ赤なトマトです。味付けは、あってもオリーブオイルに塩胡椒といったところでしょうか。加熱料理もしない、ドレッシングもかけないそのサラダは、まだ外の世界の広がりや現実の厳しさを知らないトトとエレナの純愛そのもののようにも映ります。
  シンプルでちょっとエグ味すらありそうで、さらにお皿がサボテンのこのサラダ。心から美味しいと幸せそうに微笑むことができるのは、やはりこの若くて力強い二人ならではでしょう。

 

現実は映画より奇なり

 都会で成功したトトはこんな素朴なサラダとは無縁な生活を送っているように見えますが、アルフレードがトトへ残したフィルムがあのサラダの味を思い出させてくれたのではないでしょうか。トトと一緒になって涙がこみあげる最後の名シーンです。

 全体を通して映画への愛だけでなく、アルフレードの言うように現実が映画よりもさらに複雑で困難であることをひしひしと感じさせてくれる映画です。だからこそこの人生を生きるのだと、諦めと希望を同時に感じさせてくれる映画です。

 

2020.1.12 むびめしこ

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