「500ページの夢の束」の評価・作品情報・自閉症とスタートレック

「500ページの夢の束」の
評価作品情報『スタートレック』と自閉症の関係感想

500ページの夢の束」のムビメシュラン評価3

 『スタートレック』が大好きな少女のお話です。ダコタ・ファニングが自閉症という難しい役どころを演じきります。癇癪を起こすシーンなどは流石の演技力です。自閉症の少女が大冒険に出ますのでハラハラする一方、登場人物がみんないい人でほっこりする作品です。題材としては星4でもいいところでしたがいい人ばっかりでやや夢物語化したので星3つです。

500ページの夢の束」の作品情報

<日本公開年月>
2018
9
<スタッフ>
監督:ベン・リューイン
脚本・原作:マイケル・ゴラムコ
<出演>
ダコタ・ファニング
トニ・コレット
アリス・イヴ
<あらすじ>
 主人公は『スタートレック』が大好きなウェンディ。趣味は自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。自閉症を抱える彼女は、唯一の肉親である姉オードリーと離れてグループホームで暮らしていました。ある日『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げますが、郵送では締切に間に合わないと気付き愛犬ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。

『スタートレック』と自閉症の関係

自閉症とは

 正確には自閉スペクトラム症といわれます。「スペクトラム」とは分布を意味する言葉ですから、その名の通り症状の種類や重症度は人によって大きく異なります。主な症状は共感したり行間を読む能力が低く、コミュニケーションに難しさを感じます。また行動や興味に強いこだわりが見られることもあります。
 本作品のウェンディは『スタートレック』に関する知識が深く、作中に登場するクリンゴン星人の言語も話すことからその能力の高さが伺われます。一方でオブラートに包まれた会話を苦手とし、感情のコントロールが効かずに癇癪を起こしてしまうという一面もあります。

スタートレックとは

 1966年から現在に至るまで数々のシリーズ、シーズンだけでなく劇場版も10本以上公開されてきた米国の国民的なドラマです。近未来の宇宙を舞台にした壮大な物語で、よく米国では『スターウォーズ』派か『スタートレック』派(トレッキーと呼ばれます)かで大議論が巻き起こるほどの人気作品です。かくいう私は母親の影響もあり大のスタートレックファンで、TNG,DS9,VOY…と全てのシリーズを見倒してきたトレッキーです。
 『スタートレック』には宇宙大作戦のミスタースポック、TNGのデータ少佐、VOYのセブン・オブ・ナインなど自閉スペクトラム症の特徴を持ち合わせたキャラクターが多く登場します。彼らは並外れた記憶力を持ち常に理性的で優秀なクルーでありながら、行間を読む能力や喜怒哀楽の感情表現に乏しい一面があります。特にロボットのデータ少佐は人間の感情表現やユーモアのセンスに強く憧れを抱いていました。そんなところにウェンディも共感を覚えていました。

500ページの夢の束」の感想

 本作品のウェンディをはじめ自閉スペクトラム症の方と話す際に我々は少なからずぎこちなさや違和感を感じます。忘れてはならないのは彼らも同じ違和感を抱いているということです。周囲の人と話をするたびにすれ違いが生じるのですからそのストレスは計り知れません。ウェンディの場合には彼女の特性を理解してくれる環境に恵まれていたこともあり、大好きな『スタートレック』の世界に没頭することができました。 
 すっかり人間不信になってしまったウェンディを救ってくれたお巡りさんがクリンゴン語でウェンディに話しかけてくれたシーンはとても好きなシーンでした。同じ趣味があり、好きな世界の話で繋がり合うことができる喜びを改めて感じました。
 自閉スペクトラムに悩む人やそのサポートに尽力する人、そして私も大好きな『スタートレック』への愛にあふれたとっても素敵なほっこりする作品でした。

2020,6.14 むびめしこ

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