「ROMA」の評価・作品情報・ネタバレ・感想

映画「ROMA」の
評価作品情報ネタバレ感想

 

「ROMA」のムビメシュラン評価4

 住み込みで働くメキシコ人家政婦の暮らしを通して雇い主の家庭をも映し出し、登場する女性のか弱さと力強さと優しさを同時に描いた作品です。キュアロン監督の半自伝的作品であることもありとてもパーソナルな内容です。しかし恋、妊娠、夫の不在など誰でも当事者になり得る出来事と、そこから立ち直る女性の姿に静かな共感と感動が胸に広がります。

 

「ROMA」の作品情報

<日本公開年月日>
2018年12月(Netflix)
<スタッフ>
・監督:アルフォンソ・キュアロン
・脚本: アルフォンソ・キュアロン
<出演>
ヤリッツァ・アパリシオ
マリーナ・デ・タビラ
<あらすじ>
 クレオはメキシコの中流家庭に住み込みで働く家政婦です。雇い主は医師のアントニオ。その妻ソフィアと4人の子供とソフィアの母テレサ、もう一人の家政婦アデラと共に暮らします。クレオ自身の思いがけない妊娠と父親であるフェルミンの失踪という悩みと同時に、ソフィアとアントニオの関係にも暗雲が立ち込めていることが明らかにされます。

<ネタバレを含みます>

冒頭の床掃除のシーン

 作品はタイルの上に洗剤で泡立った水が繰り返し流されるシーンで始まります。それは飼い犬のフンで汚れた床を洗う作業であったことが分かります。洗っても洗っても犬がそこにいる限り終わることのない作業です。繰り返しが紡ぐ日常を象徴します。

 

クレオと雇い主の関係

 クレオは言われた用事を卒なくこなし、子供達からとても慕われています。ソフィアは時々きつい口調になることもありますが、妊娠を打ち明けたクレオを親身になってサポートし病院に連れて行ってくれるなど良好な関係を気づいています。

 

ボーイフレンドのフェルミン

 クレオは武術を生きがいにしているボーイフレンドのフェルミンに、妊娠を打ち明けますがフェルミンはそのまま姿を消してしまいました。アデラのボーイフレンドに頼み込みフェルミンを探し出しますが、フェルミンは非情にも父親であることを認めず二度と姿を現さないよう脅します。
映画館で失踪した時もそうでしたが、本当に最低野郎です。クレオはただただ黙ってしまうばかりで不安や怒りを表に出しません。

 

ソフィアとアントニオの関係

 アントニオはフォードのギャラクシーを乗り回しますが、家の車庫にはサイズが合わず車庫入れの度に車や家を傷つけます。仕事を理由に長く家を不在にしますが、クレオは若い女性と映画館にいるところを見かけます。ソフィアはそんなアントニオに嫌気がさし、別々の道を歩む決心をします。それと同時に車庫に合う一回り小さいサイズの車を購入します。不要なものを切り捨て身軽になったソフィアそのもののようです。

 

クレオの流産

 ソフィアの母テレサと共にベビーベッドを買いに出かけた際、突如勃発した暴動に巻き込まれ流産してしまい、ひどく落ち込み子供達ともあまり口をきかなくなってしまいます。

 

家族旅行で起こった事件

 ソフィアはギャラクシーで最後の家族旅行を提案し、傷心のクレオも誘います。ソフィアは夫との離別と再出発を子供達に告げ、家族の結束を高めるのでした。翌日ビーチで遊ぶ子供2人が母親のソフィアとクレオが目を離した隙に溺れてしまいます。クレオは泳げないにも関わらず命からがら二人を救出します。ソフィアがクレオに感謝を伝えるとクレオは自身の赤ちゃんについて「生まれて欲しくなかったの」と思いを吐き出しました。
 日頃は自分の気持ちを表に出さないクレオでしたが、赤ちゃんに対する愛おしい気持ちよりも勝る不安と恐怖と日々戦っていたのでしょう。子供達が死んでしまうかもしれないという恐怖の前に、自らの赤ちゃんに対する気持ちを取り戻すことができました。

 

「ROMA」の感想

 静かに日常生活を映し出す作品でした。一方で冒頭の床掃除やソフィアの車、最後のクレオが階段を晴れやかな笑顔で昇っていくシーンなど、道場人物の心情を的確に映像で表現する非常に繊細な作品でした。最後に「リボへ」というクレジットが出ますが、これはキュアロン監督が幼少期の家政婦の名前なんだそうです。きっとクレオのように優しくって暖かい家政婦さんだったのでしょう。

 

2020.3.8.  むびめしこ

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