「サーミの血」の評価・作品情報・感想

映画「サーミの血」の
評価作品情報感想

「サーミの血」のムビメシュラン評価5

 伝統を守る生き方、それを捨てて新しい世界に飛び込む生き方、この作品はそのどちらをも否定しません。全く違う生き方を選び、遠く離れてしまっても切れることのない姉妹の切ない絆を描いた生臭いほどに力強く美しい作品です。

「サーミの血」の作品情報

<日本公開年月日>
2017年9月
<スタッフ>
・監督:アマンダ・シェーネル
<出演>
レーネ=セシリア・スパルロク
ミーア=エリーカ・スパルロク
マイ=ドリス・リンピ
ハンナ・アルストロム(「キングスマン」他)
<あらすじ>
 物語は主人公エレ=マリャの妹のお葬式から始まります。エレ=マリャはかつて自身が捨てた故郷に近づくほど、辛い記憶が蘇り早々に立ち去ろうとします。かつて自身も身にまとっていたコルトを見たりやヨイク(民謡)を聞き、幼い頃の記憶が蘇ります。

背景

サーミ人とは

 サーミ人とはノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを放牧し、独自の言語を持つ先住民族です。「アナと雪の女王」に登場するトナカイを相棒とするクリストフはサーミがモデルと言われています。映画の主な舞台となる1930年代、スウェーデンでトナカイの放牧を糧として遊牧民生活を続けていたサーミ人は他の人種より劣った民族として差別されていました。

「サーミの血」の感想

 主人公のエレ=マリャは成績優秀で好奇心も旺盛です。トナカイを放牧してテントで生活することよりも、進学して教師となることを夢見ました。しかし教師に「あなたたちの頭脳は文明社会に適応できない」という非情な言葉を投げつけられてしまいます。
 自分たちを蔑むスウェーデン人の生活に憧れるエレ=マリャを軽蔑する妹ニェンナを、実の妹であるミーア=エリーカが演じました。家族と自らのルーツを捨ててもエレ=マリャは学び、教師になることへの熱い気持ちを抑えることはできませんでした。
 物語の最後、エレ=マリャは一人妹の亡骸の元を訪れ、そっと身を寄せサーミだけでなく家族を捨てたことをサーミ語で詫びるのでした。

 エレ=マリャの行動力と思い切りの良さには驚かされるばかりでしたが、同時に爽快さも感じました。「あんなふうに自由に生きられたらいいな」と思う一方で、自由に伴う苦悩が描かれたバランスのとれたいい作品でした。大好きな作品です。

 

2020.3.30. むびめしこ

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